オーム・マニ・ペメ・フーム

「 オーム・マニ・ペメ・フーム」は観音菩薩のマントラです(注)。チベットでマニ車を回しならが唱えられています。六道(欲六界)を輪廻するものたちを救済しようとする観音菩薩の祈願をあらわしています。菩薩の心構えがなんたるかを印象的に示しています。

マントラとは、秘密の言葉です。例えば、人混みの中で背後から特定の人の名を呼ぶと呼ばれた人だけが反応して振り返るように、その言葉自体に力があり、唱えるだけで特定の効果が得られるものです。

菩薩とは悟りを求めて修行する人のことをいい、四無量心の実践者です。四無量心の完成者は如来と言われます。

これを唱えることで、欲六界の住人に対して欲六界に生まれる条件を滅する効果があります。

1.オーム

「オーム」は全ての仏陀たちの身体を象徴し、天界に神として生まれる条件を浄化する力があります。
天界の住人である神は六道の中では最高の存在ですが、自分の幸福な状態に満ち足りていて、本当の心の解放をもたらす道をかえって自分に閉ざしてしまっています。だから「オーム」音でその条件を焼き滅ぼさなければならないということです。

2.マニ

「マ」は、嫉妬という阿修羅界に
阿修羅として生まれる条件を滅し、
「ニ」は人間界に人間として
生まれる条件を滅します。

3.ペメ

「ペ」は動物界に動物として
生まれる条件を滅し、
「メ」は餓鬼界に餓鬼として
生まれる条件を滅します。

4.フーム

「フーム」は地獄界に
地獄の住人として
生まれる条件を滅します。


このページの記載は、
1981年平河出版社発行、
ラマ・ケンツ・サンポ+中澤新一共著
「虹の階梯、チベット密教の瞑想修行」
p41を参照しました。

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