人間に生まれ変わるには?

人生の目的は?、で説明したように、
人間に生まれるのは難しいようです。
仏典に記載された、
爪の上の土(砂)の話(涅槃経)、
盲目の亀が100年に一度
浮かび上がる話(雑阿含経)のように
人間に生まれるのは、
とんでもなく稀で(有り難い)
ことのようですね。
だから、「ありがとう」といって
人間に生まれたことを感謝しなければ
ならないのです(雑阿含経)。

では、どうすれば人間に生まれ変わることが
できるのでしょうか?

1.三悪趣に生まれないようにすること

来世は
で説明したように、
三悪趣とは
地獄界、餓鬼界、動物界をいいます。
人間として生まれたのは、
この世界で過去の行為を清算するためでした。
けれども、この世界でなにもしなければ、
清算すべきものを
新たに作らないからいいのですが、
実際には無理ですね。

毎日心で思い(意)、
話し(口)、
行動(身)しますから、
毎日毎日新たに清算すべき行為を
繰り返しています。

そして、その内容はというと、
害虫だといって生き物を殺したり、
ちょっとくらいならと、ものを盗んだり、
異性と不浄な関係をもったり、
自分に都合が悪いから嘘をついたり、
その場を取り繕うために
意味のない言葉を話したり、
他人の悪口を言ったり、
他人を仲違いさせる言葉を発したり、
貪りの心をもち、
怒りの心をもち、
物事の本質を見ない、
という行為をたくさんしているように思います。

結局、私たちはどれだけ
過去の行為を清算しようとしても、
生きている限り、多くの行為、
特に三悪趣に生まれて
苦しまなければならない多くの行為を新たにしています。
だから、人間界に生まれるために、
常に注意しなければならないことは、
三悪趣に生まれるようなことをできるだけ
しない(身)、話さない(口)、思わない(意)ということです。

2.人間に生まれるためには

周りの人を大切にした生き方をすること

情や執着というものが、
人間に生まれる要素です。
人に対して優しく誠実に接する生き方をすれば
人間界に生まれる要素となります。

ここで、人間関係が良くても悪くても
出会ったからには
があるのですから、
大切にすることが重要です。
縁とは過去における関わり合いを意味します。

だけど、人間関係が良い場合は簡単ですが、
人間関係が悪い場合に要注意です。

例えば、会社の上司と部下の関係 、
夫婦の関係、 友達関係など、
全ての人間関係で
悪口を言うようなことありませんか?
悪口一つをとっても、
人間に生まれる行為ではありません。

良い縁でも悪い縁でも
縁がなければ決して出会うことはありませんから。

3.人間よりも上の世界に生まれる行為をする

私たちがこの世界で生活している以上、三悪趣に生まれる行為は、どうしても避けられないかもしれません。

どんな生き物も殺さないで、悪口を言わないで、嘘をつかないで、意味のない言葉を話さないで、貪らない、怒らないでなどということを完全に実践できることはできません。

多分、出家し厳格な修行をしているような僧でなければできないでしょう。

では、どうすれば良いのか?

それは、

人間よりも上の世界に生まれるための
十善の行為を
できるだけすることです。

殺しことなく生き物を慈しむ、
盗むことなく施しを行う、
邪淫をおかすことなく異性と正常な関係を保つ、
嘘をつかず真実を話す、
粗暴な言葉でののしらず
優しさのこもった言葉で話す、
争いごとをやめ和やかに人と交わる、
戯れ言にうつつをぬかさず本当に大事なことを話す、
貪らず妬みを待たず、
瞋(いか)る心をなくし他のものを
助けようとする心をもつ、
間違った見解を捨て正しく物事の本質を見抜く、
ということを実践することです。

そうすることで、避けられない三悪趣の行為があったとしても、それを上回るような人間界よりも上の世界に生まれる要素を蓄積することができます。
それによって、悪くても人間界に生まれるようにするのです。普通の人は、多分これしかないと思います。

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