多くの人が考えてきたことと思います。
著名な人もわからない問題でした。
一体、なにが人生の目的なのでしょうか?
1.人間として生まれた理由
なぜ生まれたか?で説明したとおり、
私たちは過去の行為(カルマ)を
人間の世界で清算するために、
人間として生まれました。
清算とは経験をすることですから、
人生の目的は良いことと悪いことを
この世界で経験するためであるといえます。
良いことを経験するのは、
過去において良いことをしたから、
悪いことを経験するのは、
過去において悪いことをしたからです。
では、良いことと悪いことを
全て経験したらどうなるの?
という声が聞こえてきそうです。
良いことと悪いことを
全て経験したということは、
この世界での清算が
終わることを意味しますね。
人間界で人間としての
様々な経験が全て終わったら、
人間界に生まれた目的は、
達成できたと言えます。
人間として清算するものが
なくなったのですから、
人生の目的は達成したと言えます。
2.カルマの清算が難しい理由
でもよく考えてみてください。
人間として生きていく間に、
新たにたくさんの行為をしてますよね。
様々な経験をすることによって、
過去の行為を清算したとしても、
他の世界で清算しなければならないような
行為をたくさんしていますよね。
精算のための行為ではなく新たな行為をしているということです。
特に、人間であるがゆえに、
体の他に、口や心を使いますから。
他の世界に生まれる行為、
特に、人間界よりも下の世に
生まれ変わる行為が多いのです。
だから、全てを清算することは
簡単ではないんです。
だから、いつまで経っても、
カルマの清算は終わらないのです。
清算が終わらないということは、
生まれ変わりがあると仮定した場合に、
また人間として生まれるのですか?
という声が聞こえてきそうです。
それならいいんですが。
そんな簡単なものではないようです。
それは、人間に生まれ変わる確率が、
とても低いからなのです。
ほとんどゼロに近い確率でしか、
人間に生まれることは
できないと言われています。
仏教の爪の上の土(砂)の話(涅槃経)とか、
盲目の亀が100年に一度浮かび上がる話(雑阿含経典)には、
人間として生まれる確率が
とても低いことが記載されています。
この例えから考えるとほとんどゼロですね。
3.人生の目的は
人間として生まれた場合の、
人生の目的は
以下の三つが前提で最後の四番目といえます。
一番目は、
過去の行為を清算すること。
二番目は、
現在の行為が、未来において
清算が必要とならないようにすること。
三番目は、何らかの行為をすると、
後において清算の必要が生ずることを学ぶこと。
四番目は、最終的には、生まれる変わることが
ないようにする方法論を身につけて死ぬことです。
人生の目的はそれ以外にはありません。
実は、特別な場合を除いて、
人間として生まれたときにしか、
それを学ぶことができず
それを理解できず、
それを実践することができない、
と言われています。
こんなふうに人間に生まれることは、
有り難い(確率が低い)ことなんです。
だから「ありがたい」と、
日々感謝しなければならないのです。
人間はもとより全ての生き物は
生まれ変わらないことを
最終目的としているのです。
でも、もし生まれ変わらなければならない
ときには、注意しなければなりません。
注意事項がチベットの死者の書に書いてあります。(注)
注
山崎信定訳 初版「原典訳 チベットの死者の書」の解説p198の以下の記載を
参照ください。
”ティモシーが言った。「可哀そうなやつだ。生まれ変わらないように気をつけるんだな。でも生まれ変わらなきゃならないとしたら、せいぜい良い胎(はら)を見つけるんだぜ」”